エンタメパレス

映画、海外ドラマ、本を中心に、執筆メンバーの激推し作や貴重な取材裏話など、エンタメ好きの心に刺ささる本音どっさりのの記事をお届けします。

東京国際映画祭2023にトニー・レオン降臨!

東京国際映画祭2023で10月26日に開催されたマスタークラスにて映画『2046』(04)終映後にアジアの至宝、俳優トニー・レオンが登壇。司会進行役の市山尚三氏とのトークではホウ・シャオシェン監督、ウォン・カーウァイ監督、ふたりに影響を受けて音楽、文学…

妻の余命宣告から夫婦で初恋の君を探すロードムービー『人生は、美しい』

これまでも余命宣告された主人公を描く作品は『最高の人生の見つけ方』(07)他いくつもあり、本作も同じレールを走るストーリーかと思いきやいい意味で予想を裏切られました。 『人生は、美しい』(11月3日よりシネマート新宿、ヒューマントラストシネマ有…

美貌を武器にできなかった「マスクガール」の悲劇

アンニョン! トラベルライターの松田朝子です。最近、飛行機の中では機内の映画をパスして、ダ ウンロードした韓ドラをipadで観たりしています。そんな私が最近観たドラマは『マスクガー ル』。おしゃれなサムネに惹かれて観始めたら、結構ハードなサスペン…

音楽プロデューサーの今だから言えること【PSY•S(サイズ)】(連載1)

はじめに。 元ソニー・ミュージックエンタテインメントのプロデューサー今泉雅史です。 「最近のヒットチャートはわからない」「音楽の分断化が進み国民的ヒットがない」「昔の曲がいい、今の曲がいい」とか言い争うのはよしとしても、好きなジャンル以外に…

ヒョンビン史上最高にワイルドな魅力が全開!アフガニスタンを舞台に人質救出劇に挑む『極限境界線 救出までの18日間』

本作は名優ファン・ジョンミンと国民的スターのヒョンビンの記念すべき初共演で、現実にあった事件をもとに描かれ韓国初登場1位の大ヒット作です。 2007年、実際にタリバンによってアフガニスタンの砂漠で起きた韓国人23名の拉致事件は大きな国際問題となり…

ボクの出TOKYO記②田舎暮らし、植物生活と料理の関係

アジアエンタメの識者であるライター丸目蔵人さんが今年の初夏より岡山県の海浜エリアに移住。いちばんの問題だったネット環境を解決して、次の課題は野菜や果物を育てること。体験エッセイの第二弾を書いていただきました。 ボクの出TOKYO記①はこちらから。…

香港映画祭2023Making Waves 上映ラインナップ(全7作品)&上映スケジュール決定!

昨年、香港特別行政区設立25周年を記念して開催され連日満員御礼の大盛況となった「香港映画祭 Making Waves – Navigators of Hong Kong Cinema 香港映画の新しい力」が今年は11月2日(木)~5日(日)YEBISU GARDEN CINEMAにて開催されます。この度、注目…

韓国ドラマ「最悪の悪」(ディズニープラス)の会見でチ・チャンウクの素敵さを再発見!

韓国ドラマ「最悪の悪」がディズニープラスのコンテンツブランド「スター」にて9月27日より独占配信されます。この秋注目の本作をPRするため、主要キャスト3人が来日し9月21日にTOHOシネマズ六本木で記念イベント&試写会が開催されました。 今作で主演を務め…

祝⭐︎ベネチア映画祭で栄冠! トニー・レオンのいい人伝説

2023年9月2日香港の至宝、トニー・レオンがベネチア国際映画祭で金獅子生涯功労賞受賞。これまで出演作である『悲情城市』(1989)と『シクロ』(1995)、『ラスト、コーション』(07)は最高賞の金獅子賞を獲得しており、その功績が認められました。 授賞セ…

『愛の不時着』でヒョンビン沼落ちなら絶対、見逃せない韓国映画『コンフィデンシャル:国際共助捜査』

あの超級人気ドラマ『愛の不時着』(Netflix )で日本はもとより世界的に人気を拡大したヒョンビンが、『愛の不時着』以降、初主演を務めるのが本作です。 2018年に公開されたアクションサスペンス作『コンフィデンシャル/共助』にヒョンビンは北朝鮮の刑事…

マ・ドンソクの人間的な魅力(スターダム)から目が離せない!

マ・ドンソクの新作『狎鴎亭(アックジョン)スターダム』が9月8日 (金)より公開される。日本で人気の韓国スターのナンバー1はマ・ドンソクと断言しても間違いではないだろう(言い過ぎ?)。 なにしろ名声は世界に轟き、アメリカ映画『エターナルズ』(2…

ボクの出TOKYO記① イーロン・マスク氏に感謝の地方移住顛末

「もっと空が見たかったから・・・」 なんてセリフから始めると、追憶型感動映画のようでキザなことこの上ないですが、正直、東京生活が年々窮屈に感じられていたのは確か。 並び立つマンションに仰角が削られ、かつての『パネルクイズ アタック25』よろしく…

『さらば、わが愛/覇王別姫』4K版で人気再熱するレスリー・チャンの魅力を対談で考察(パート2)

4K版で蘇った『さらば、わが愛/覇王別姫』(93)『ブエノスアイレス』(97)の上映で主演レスリー・チャンの評価が改めて急上昇しています。そこでエンタメパレスでは長年のファンである島津美穂さん(元写真家)とインタビュー経験のある村上淳子さん(映…

『さらば、わが愛/覇王別姫』4K版で人気再熱するレスリー・チャンの魅力を対談で考察(パート1)

4K版で蘇った『さらば、わが愛/覇王別姫』(93)『ブエノスアイレス』(97)の上映で主演レスリー・チャンの評価が改めて急上昇しています。そこでエンタメパレスでは長年のファンである島津美穂さん(元写真家)とインタビュー経験のある村上淳子さん(映…

『さらば、わが愛/覇王別姫』~男が男を愛するとき

レスリー・チャン(張國栄)が亡くなったのは2003年4月。今年は没後20年になる。(以前Twitterにも書いたが)80年代や90年代は、香港に行くたびにレスリーの新作映画を見る機会があった。劇場(戯院)にワクワクしながら通ったものだ。 レスリーのニューアル…

この作品って今ならブロマンス映画!?     『狼/男たちの挽歌・最終章』①

この分野を特集した地味な月刊文芸誌が完売・重版するほどの人気作『陳情令』や『山河令』などの中華ファンタジー時代劇。シャオ・ジャン(肖戦)をはじめとする匂い立つような美形男優たちの演じるブロマンスドラマが女性たちを虜にしているようだが、香港…

この作品って今ならブロマンス映画!?     『狼/男たちの挽歌・最終章』②

友情や憎しみを超えて相手と同化したい ジョン・ウーは、美しいもの、清らかなもの、純粋なものと対比して「悪」を描くといった手法をよく使うが、この映画でもそうだ。 教会での大殺戮。敵の放ったマグナム銃によって崩壊する聖母子像。銃弾の音に驚き飛び…

韓国ドラマ『 クイーンメーカー』に見る、人の上に立つ人のつくり方とつくられ方

初めまして!トラベルライターの松田朝子です。コロナによる渡航制限が始まった2020年から韓 国ドラマを見始めて、気付けば沼の真っ只中。 そんな私が最近面白いと思ったドラマは、『クイーンメーカー』。これは選挙戦にフォーカスした復讐劇なのですが、私に…

散りゆく花 『ロアン・リンユイ 阮玲玉』②

マギー・チャンの女優魂 ロアン・リンユイ(阮玲玉)が最後に愛したとされる男は、聯華撮影所の映画監督蔡楚生だ。この蔡監督役をレオン・カーファイが好演している(蔡監督は妻子持ちだったという)。 1934年、蔡楚生監督はリンユイを主演に、知的な女性の…

散りゆく花 『ロアン・リンユイ 阮玲玉』①

マギー・チャン(張曼玉)の「レトロスペクティブ」が渋谷Bunkamura ル・シネマ 渋谷宮下で開催(2023年6月16日〜7月13日)、全9作品が上映される。 年季の入った香港映画ファン、マギー推しのファンには憎っくき恋敵であるフランスのオリヴィエ・アサイヤス…

『セックス・アンド・ザ・シティ 新章』にサマンサ出演の裏でキムのサラへの絶縁は変わらず。ふたりの確執を深掘り!

6月2日にドラマ「AND JUST LIKE THAT... / セックス・アンド・ザ・シティ新章(AJLT)」のシーズン2にサマンサ役キム・キャトラルがカメオ出演することが明らかになり、私も含め小躍りしたファンが多かったのではないでしょうか。 AND JUST LIKE THAT... / …

韓国ドラマニアの密かな楽しみ!

あの『冬のソナタ』(02)の大ブームから早や約20年。もうすっかり日本に人気が定着した韓国ドラマ。 それにしてもドラマを見ているとよくラーメンを食べるシーンが出てきます。そして必ずキムチと一緒に食べるのがお約束と知って、韓国式にラーメンにキムチ…

推し活を絡めた韓国ドラマ『彼女の私生活』は、過去5年中ベスト・オブ・ラブコメ!

海外ドラマ評論家という仕事柄、あらゆるジャンルの作品を観ますが、個人的に大好物なのはラブコメです。社会派やサスペンスなどに比べて下に見られがちですが、女性に人気が高く需要があるのはやっぱりラブコメ。 ラブコメ大好物の私が過去5年観たなかで、…

韓国『女ふたり、暮らしています』を読んで思った、やっぱり阿佐ヶ谷姉妹が最強!

ずっと気になっていた『女、ふたり暮らしています。』を読みました。 本作は韓国の人気コピーライターのキム・ハナと元ファッション誌編集者・ファン・ソヌの共同生活を書いたエッセイです。よくあるシェアハウスではなく、一緒にローンを組んでマンションを…

宝塚ファンを歓喜させた3つの「まさか!」 劇団☆新感線『薔薇とサムライ2 −海賊女王の帰還−』

チケットが取れず劇場で観られなかった劇団☆新感線『薔薇とサムライ2』を12月13日ディレイビューイングで鑑賞。これは宝塚歌劇マニアなら10倍楽しめる作品だったので、ファンの視点でその3つの理由を解説します。 ざっくりしたストーリーは、女海賊アンヌ(…

映画『ルージュ』の街を訪ねる②

あの「幼稚園」を発見 石塘咀市政大厦なる看板を掲げた街市を目安に、トラムを降りる。大通りを南へ曲がり、裏側に進んでいくと、まるで大陸に来てしまったかのような風景に出会う。道端に腰掛け、中国将棋に興じる男たち。どことなく「空気」が違う。じっと…

映画『ルージュ』の街を訪ねる①

本記事は1998年発行の『香港電影城5』(小学館)の記事『ルージュの街を訪ねる』を再掲載したものです。当時、編集スタッフ&ライターだった松田久美子さんの記事をご本人の同意を得て今回掲載しました。名作『ルージュ』に主演したアニタ・ムイの命日は12月…

香港好きは涙なしには見られない!東京国際映画祭2022で注目を集めた『消えゆく燈火』

第35回東京国際映画祭で個人的にいちばん心に響いた作品が『消えゆく燈火』でした。 本作は新人女性監督のアナスタシア・ツァンが、香港政府が新人に資金を出すコンテストに応募し援助を得て制作。シルビア・チャンとサイモン・ヤムの名優コンビを主演に、新…

ツァイ・ミンリャン監督、深田晃司監督の対談で衝撃的だった3つのこと

第35回東京国際映画祭と国際交流基金による共同トークイベント「交流ラウンジ」が10月29日に開催され、深田晃司監督と台湾のツァイ・ミンリャン監督の対談を取材。その中でとりわけ印象的だったことを抜き書きしました。 台湾を代表する監督のひとりであるツ…

『誰かがあなたを愛してる』 勝手に新情報!(^^)!

メイベル・チャン、アレックス・ロー夫妻 イン東京 エンタメパレスやTwitterに香港映画関連の記事を久しぶりに書き始め、眠らせていた香港映画関連の資料箱を開けて、いろいろ見直していたところ、自分としては「大発見」があった。 以下そのことを香港映画…