メイベル・チャン、アレックス・ロー夫妻 イン東京
エンタメパレスやTwitterに香港映画関連の記事を久しぶりに書き始め、眠らせていた香港映画関連の資料箱を開けて、いろいろ見直していたところ、自分としては「大発見」があった。
以下そのことを香港映画ベストテン ① 『誰かがあなたを愛してる』 - エンタメパレス (en-pare.com) の追記として書きます。
1998年10月、ハリウッド作品『リプレイスメント・キラー』プロモーションのため主演のチョウ・ユンファが日本にやってきた。そして来日記念パーティが都内のホテルで開かれることとなった。
僕はライター仲間の村上淳子さんのお誘いで会場に駆け付けた。
ホテルのエレベーターに乗ると、和服の美しい女性に「〇階を押してくださる?」と頼まれた…と思ったら若尾文子さんだった。
会場はマスコミや日本の芸能人や映画関係者でごった返していた。
特にインタビュー取材の申し込みをしたわけではなかったので、ユンファを中心に会場風景を20数枚カメラに収めて帰った。
このときのことは結局記事にできなかったので、現像した写真をそんなに熱心には見ていなかった。それから月日は流れ……。
今回、写真を何気なく見ていて「あれ?」。ユンファが一緒に嬉しそうに記念撮影している男女、これはもしかしてメイベル・チャン&アレックス・ロー監督夫妻ではないか。すごく似ている。
そして次の写真は、窮屈な姿勢で何やらポスターらしきものにサインするユンファ。これも撮っているときは気付かなかったが、当然『リプレイスメント・キラー』だと見過ごしていた。しかしよく見ると『誰かがあなたを愛してる』の日本版ポスターではないか!
とすると一緒にいたのはメイベル&アレックスに間違いはないはず。
メイベル夫妻とユンファは、憶測だが、たぶん同時期に別々に来日していて(ユンファは当時、アメリカに在住)、東京で再会し、このパーティ会場で旧交を温めて、メイベル夫妻か配給会社の人がポスターにサインをお願いし、気楽にユンファも応じた。
まったくの妄想だが、「この映画、楽しかったね。ロケは大変だったけど」「また一緒に映画撮ろうよ」「そのときはチェリーも一緒だね」。そんな会話が浮んだ。
人ごみの中でぶつかられながら撮影したので画像はよくないが、貴重な写真ではないか。名作『誰かがあなたを愛してる』にふさわしい一コマかと思った次第。メイベル&アレックス夫妻がそこにいたのならば、お話を聞いておけばよかったと24年後に大変悔やんでいる。
柚木 浩(コミック編集者/映画ライター)
『香港電影城』シリーズの元編集者&ライター。
香港映画愛好歴は、『Mr.Boo!』シリーズを日本公開時に劇場で見て以来か。
火が点いたのは『男たちの挽歌』『誰かがあなたを愛してる』『大丈夫日記』あたりから。
好きな香港映画は80年代後半~90年代前半に集中しているが、ジョニー・トー作品は別格。
邦画、洋画、韓国映画、台湾映画も見る。ドラマは中国時代劇、韓国サスペンス系、
『ブリッジ』『キリング』など北欧ミステリー系も好き。