エンタメパレス

映画、海外ドラマ、本を中心に、執筆メンバーの激推し作や貴重な取材裏話など、エンタメ好きの心に刺ささる本音どっさりのの記事をお届けします。

リュ・スンワン監督『密輸 1970』は見ないと損! こんなアクション、見たことないぞ‼

7月12日(金)よりロードショー【原題:밀수/英題:SMUGGLERS/2023年/韓国/韓国語/129分/カラー/シネマスコープ/5.1ch/字幕翻訳:根本理恵】 mitsuyu1970.jp 公式SNS(X)@mitsuyu1970 © 2023 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & FILMMAKERS R&K. All Right…

ジョニー・トニー監督『城市特警』は80年代香港アクション映画の底力を見せてくれる!

2024年6月14日、早稲田松竹の「ジョニー・トー監督特集」レイトショーでレイ・チーホン主演、ジョニー・トー監督の初期作品『城市特警』を見た。日本語字幕入りの本作品を初めて劇場で見る幸福感は半端なかった。 以前、主演のレイ・チーホンにインタビュー…

ジャッキー・チェン『ライド・オン』公開記念 吹替版演出家・市来満さんインタビュー②

著書「成龍伝説」を手に市来満さん ─吹替版演出家でいらっしゃる市来さんがジャッキー本を出されたということでそのお話も。タイトルが『成龍伝説』(ART NEXT刊 好評発売中)。市来さんの編著とお聞きしています。この企画はずっと温めてこられたものなんで…

ジャッキー・チェン『ライド・オン』公開記念 吹替版演出家・市来満さんインタビュー①

ジャッキー・チェンの記念すべきアクション大作『ライド・オン(龍馬精神)』がいよいよ公開される。初主演作から50周年、日本上陸45周年、そして生誕70周年とまさにアニバーサリーづくしの作品だ。 宣伝資料には「これが人生の集大成だ」と銘打たれている。…

ワン・イーボーのハードボイルドな魅力に痺れる。最上級のフィルムノワール『無名』は必見。

本作はノワール映画の衝撃作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・上海』(16)のチェン・アル(程耳)監督の待望の新作で、香港映画界を代表する(いや、世界かな?)名優トニー・レオン(梁朝偉)と、中国ファンタジードラマ『陳情令』のワン・イーボー(…

強敵ヴィランにマブリーの鉄拳が炸裂!『犯罪都市 NO WAY OUT』を見れば気分爽快!

マ・ドンソク、愛称マブリー(マ・ドンソク+ラブリー)の待望の新作『犯罪都市 NO WAY OUT』が公開された。前作『犯罪都市 THE ROUNDUP』(以後『2』と表記)から2年も経っていない。もう嬉しすぎる! 本作はソウル公開後1カ月で興行収入100億円突破…

『シャクラ』公開記念! アクション監督谷垣健治氏スペシャルインタビュー②

『シャクラ』公開記念!アクション監督谷垣健治氏スペシャルインタビュー① キャラクターポスターより 喬峯(ドニー・イェン)。とにかくポーズがかっこいい! 『シャクラ』のアクションシーンの神髄と『必殺技』 柚木 ところで話が少し戻りますが、この映画…

『シャクラ』公開記念!アクション監督谷垣健治氏スペシャルインタビュー①

2024年1月5日(金)TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー 2024年正月、香港映画『シャクラ』がついに公開される。 ドニー・イェン(甄子丹)の代表作になること必定のアクション超大作である。 これは絶対に映画館で見るべき映画だ! 原作は武侠小…

『極地謎情』 アンソニー・ウォンの舞台を見た!

2023年9月6日 香港演芸学院にて観賞 主演アンソニー・ウォン(黄秋生)、遊學修主演 ある日、香港の某チケットサイトから、アンソニー・ウォン主演の舞台のチケットが発売されるよ!というお知らせメールが来ました。 いつこのサイトに登録したのか記…

香港ノワールの進化系『風再起時』!

「香港映画祭2023 Making Waves – 香港映画の新しい力」で『風再起時』を見た。 本作はなんといっても「トニー・レオンとアーロン・クォックの映画初共演!」というのが最大のポイントだろう。TVB時代に共演しているとはいえ、映画では初共演。アーロンは、…

マ・ドンソクの人間的な魅力(スターダム)から目が離せない!

マ・ドンソクの新作『狎鴎亭(アックジョン)スターダム』が9月8日 (金)より公開される。日本で人気の韓国スターのナンバー1はマ・ドンソクと断言しても間違いではないだろう(言い過ぎ?)。 なにしろ名声は世界に轟き、アメリカ映画『エターナルズ』(2…

『さらば、わが愛/覇王別姫』~男が男を愛するとき

レスリー・チャン(張國栄)が亡くなったのは2003年4月。今年は没後20年になる。(以前Twitterにも書いたが)80年代や90年代は、香港に行くたびにレスリーの新作映画を見る機会があった。劇場(戯院)にワクワクしながら通ったものだ。 レスリーのニューアル…

この作品って今ならブロマンス映画!?     『狼/男たちの挽歌・最終章』①

この分野を特集した地味な月刊文芸誌が完売・重版するほどの人気作『陳情令』や『山河令』などの中華ファンタジー時代劇。シャオ・ジャン(肖戦)をはじめとする匂い立つような美形男優たちの演じるブロマンスドラマが女性たちを虜にしているようだが、香港…

この作品って今ならブロマンス映画!?     『狼/男たちの挽歌・最終章』②

友情や憎しみを超えて相手と同化したい ジョン・ウーは、美しいもの、清らかなもの、純粋なものと対比して「悪」を描くといった手法をよく使うが、この映画でもそうだ。 教会での大殺戮。敵の放ったマグナム銃によって崩壊する聖母子像。銃弾の音に驚き飛び…

散りゆく花 『ロアン・リンユイ 阮玲玉』②

マギー・チャンの女優魂 ロアン・リンユイ(阮玲玉)が最後に愛したとされる男は、聯華撮影所の映画監督蔡楚生だ。この蔡監督役をレオン・カーファイが好演している(蔡監督は妻子持ちだったという)。 1934年、蔡楚生監督はリンユイを主演に、知的な女性の…

散りゆく花 『ロアン・リンユイ 阮玲玉』①

マギー・チャン(張曼玉)の「レトロスペクティブ」が渋谷Bunkamura ル・シネマ 渋谷宮下で開催(2023年6月16日〜7月13日)、全9作品が上映される。 年季の入った香港映画ファン、マギー推しのファンには憎っくき恋敵であるフランスのオリヴィエ・アサイヤス…

映画『ルージュ』の街を訪ねる②

あの「幼稚園」を発見 石塘咀市政大厦なる看板を掲げた街市を目安に、トラムを降りる。大通りを南へ曲がり、裏側に進んでいくと、まるで大陸に来てしまったかのような風景に出会う。道端に腰掛け、中国将棋に興じる男たち。どことなく「空気」が違う。じっと…

映画『ルージュ』の街を訪ねる①

本記事は1998年発行の『香港電影城5』(小学館)の記事『ルージュの街を訪ねる』を再掲載したものです。当時、編集スタッフ&ライターだった松田久美子さんの記事をご本人の同意を得て今回掲載しました。名作『ルージュ』に主演したアニタ・ムイの命日は12月…

『誰かがあなたを愛してる』 勝手に新情報!(^^)!

メイベル・チャン、アレックス・ロー夫妻 イン東京 エンタメパレスやTwitterに香港映画関連の記事を久しぶりに書き始め、眠らせていた香港映画関連の資料箱を開けて、いろいろ見直していたところ、自分としては「大発見」があった。 以下そのことを香港映画…

我が香港映画ベストテン 『誰かがあなたを愛してる』~アレックス・ロー監督の思い出~

プロローグ 少し前だが、仕事で知り合った人に「必見の香港映画を10本紹介して」と頼まれて結構悩んだが、悩むのもなかなか楽しかった。結局そのときは自分が一番情熱をこめて見ていた頃の香港映画を中心に選んだ。そして今回もやはり自分がかつて感動し、衝…

香港の歌姫アニタ・ムイの生涯

イントロダクション 2022年7月17日、第40回香港電影アカデミー賞の発表が発表され、映画『アニタ 梅艶芳』が助演女優賞、音響効果賞など5部門で受賞した。 アニタ・ムイを熱演したルイーズ・ウォン(王丹妮)が主演女優賞を逃したものの新人賞を獲得したのは…

香港で見た香港映画たち① 『恋する惑星(重慶森林)』

香港の映画館で映画を見る 僕が香港映画に夢中になったのは80年代中頃だからずいぶん昔の話だ。85年12月に初めて香港へ旅して、エネルギッシュな街の魅力の虜となった。 それ以降、毎年のように香港に行き、映画館(戯院という)で香港映画を地元の人たちの…