エンタメパレス

映画、海外ドラマ、本を中心に、執筆メンバーの激推し作や貴重な取材裏話など、エンタメ好きの心に刺ささる本音どっさりのの記事をお届けします。

映画

『さらば、わが愛/覇王別姫』4K版で人気再熱するレスリー・チャンの魅力を対談で考察(パート1)

4K版で蘇った『さらば、わが愛/覇王別姫』(93)『ブエノスアイレス』(97)の上映で主演レスリー・チャンの評価が改めて急上昇しています。そこでエンタメパレスでは長年のファンである島津美穂さん(元写真家)とインタビュー経験のある村上淳子さん(映…

『さらば、わが愛/覇王別姫』~男が男を愛するとき

レスリー・チャン(張國栄)が亡くなったのは2003年4月。今年は没後20年になる。(以前Twitterにも書いたが)80年代や90年代は、香港に行くたびにレスリーの新作映画を見る機会があった。劇場(戯院)にワクワクしながら通ったものだ。 レスリーのニューアル…

この作品って今ならブロマンス映画!?     『狼/男たちの挽歌・最終章』①

この分野を特集した地味な月刊文芸誌が完売・重版するほどの人気作『陳情令』や『山河令』などの中華ファンタジー時代劇。シャオ・ジャン(肖戦)をはじめとする匂い立つような美形男優たちの演じるブロマンスドラマが女性たちを虜にしているようだが、香港…

この作品って今ならブロマンス映画!?     『狼/男たちの挽歌・最終章』②

友情や憎しみを超えて相手と同化したい ジョン・ウーは、美しいもの、清らかなもの、純粋なものと対比して「悪」を描くといった手法をよく使うが、この映画でもそうだ。 教会での大殺戮。敵の放ったマグナム銃によって崩壊する聖母子像。銃弾の音に驚き飛び…

散りゆく花 『ロアン・リンユイ 阮玲玉』②

マギー・チャンの女優魂 ロアン・リンユイ(阮玲玉)が最後に愛したとされる男は、聯華撮影所の映画監督蔡楚生だ。この蔡監督役をレオン・カーファイが好演している(蔡監督は妻子持ちだったという)。 1934年、蔡楚生監督はリンユイを主演に、知的な女性の…

散りゆく花 『ロアン・リンユイ 阮玲玉』①

マギー・チャン(張曼玉)の「レトロスペクティブ」が渋谷Bunkamura ル・シネマ 渋谷宮下で開催(2023年6月16日〜7月13日)、全9作品が上映される。 年季の入った香港映画ファン、マギー推しのファンには憎っくき恋敵であるフランスのオリヴィエ・アサイヤス…

『セックス・アンド・ザ・シティ 新章』にサマンサ出演の裏でキムのサラへの絶縁は変わらず。ふたりの確執を深掘り!

6月2日にドラマ「AND JUST LIKE THAT... / セックス・アンド・ザ・シティ新章(AJLT)」のシーズン2にサマンサ役キム・キャトラルがカメオ出演することが明らかになり、私も含め小躍りしたファンが多かったのではないでしょうか。 AND JUST LIKE THAT... / …

映画『ルージュ』の街を訪ねる②

あの「幼稚園」を発見 石塘咀市政大厦なる看板を掲げた街市を目安に、トラムを降りる。大通りを南へ曲がり、裏側に進んでいくと、まるで大陸に来てしまったかのような風景に出会う。道端に腰掛け、中国将棋に興じる男たち。どことなく「空気」が違う。じっと…

映画『ルージュ』の街を訪ねる①

本記事は1998年発行の『香港電影城5』(小学館)の記事『ルージュの街を訪ねる』を再掲載したものです。当時、編集スタッフ&ライターだった松田久美子さんの記事をご本人の同意を得て今回掲載しました。名作『ルージュ』に主演したアニタ・ムイの命日は12月…

『誰かがあなたを愛してる』 勝手に新情報!(^^)!

メイベル・チャン、アレックス・ロー夫妻 イン東京 エンタメパレスやTwitterに香港映画関連の記事を久しぶりに書き始め、眠らせていた香港映画関連の資料箱を開けて、いろいろ見直していたところ、自分としては「大発見」があった。 以下そのことを香港映画…

我が香港映画ベストテン 『誰かがあなたを愛してる』~アレックス・ロー監督の思い出~

プロローグ 少し前だが、仕事で知り合った人に「必見の香港映画を10本紹介して」と頼まれて結構悩んだが、悩むのもなかなか楽しかった。結局そのときは自分が一番情熱をこめて見ていた頃の香港映画を中心に選んだ。そして今回もやはり自分がかつて感動し、衝…

香港の歌姫アニタ・ムイの生涯

イントロダクション 2022年7月17日、第40回香港電影アカデミー賞の発表が発表され、映画『アニタ 梅艶芳』が助演女優賞、音響効果賞など5部門で受賞した。 アニタ・ムイを熱演したルイーズ・ウォン(王丹妮)が主演女優賞を逃したものの新人賞を獲得したのは…

香港で見た香港映画たち① 『恋する惑星(重慶森林)』

香港の映画館で映画を見る 僕が香港映画に夢中になったのは80年代中頃だからずいぶん昔の話だ。85年12月に初めて香港へ旅して、エネルギッシュな街の魅力の虜となった。 それ以降、毎年のように香港に行き、映画館(戯院という)で香港映画を地元の人たちの…