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新旧韓流イケメン、キム・レウォン、チャ・ウヌ共演のサウンドパニックアクション映画『デシベル』

 本作は、騒音が大きくなる瞬間に爆発する特殊爆弾で次々に大爆破事件を仕掛ける高IQの爆弾設計者と彼のターゲットになった元海軍副長の攻防を描くサウンドパニックアクションです。

 

◇ストーリー
 韓国第2の都市・釜山のある一軒家で、爆破事件が発生。そのニュースを目にした元海軍副長カン・ドヨン(キム・レウォン)のもとに、1本の電話がかかってくる。

  それは爆破事件を起こした犯人からのものだった。犯人は次のターゲットがサッカースタジアムであること、仕掛た爆弾は普通のものではなく、周囲の騒音が一定のデシベルを超えると制限時間が半減して爆発するという特殊なタイプだと知らせる。

  ドヨンは5万人の観衆で埋め尽くされたスタジアムへ急ぎ、爆弾を捜索するのだが…。

  しだいに犯人がドヨンを脅迫する理由や、事件の意外な真相が明らかになっていく。

 

 

 爆破を未然に防ぐため、孤軍奮闘するカン・ドヨンを演じるのはキム・レウォン。

   20代のころは恋愛ドラマのスターとして活躍していましたが、30代では『江南ブルース』(17)など映画界でも成功し、精力的に活動中です。

  そんなレウォンが40代に入り、逞しさと大人の男っぷりに磨きをかけて演じる凛々しい軍服姿のドヨンは、過去の決断に葛藤し、妻子を人質に追い詰められる元海軍副長。

 

 

 ドヨンと同じ潜水艦に乗務。信念のある海軍潜水艦音響探知下士官役チョン・テリョンを演じるのは人気K-POPボーイズグループ『ASTRO』のチャ・ウヌ。出番は少ないながら後半、ストーリーの鍵を握る重要な存在です。

 ドラマ『私のIDはカンナム美人』(18)や『女神降臨』(20)などで主演を務めてきたウヌですが、映画への出演は今作が初。これまでのドラマでは見たことがない固い決意の表情のウヌが観られます。

 それにしても、“顔天才”、“顔面国宝”と評されるだけあって、地味な軍服でも暗い潜水艦内の照明でもそのイケメンぶりは際立っていました。

 

 テリョンの実の兄で、MENSA(メンサ)出身で高いIQを持つ海軍大尉を演じるのがイ・ジョンソク。

  『ロマンスは別冊付録』(19)『ビッグマウス』(22)など幅広い役柄に扮し、抜群の存在感を放つ若手実力派のジョンソクが、悲しみを背負いながら狂気に満ちた存在となるキャラクターを壮絶に演じているのです。

 

 後半、同じ潜水艦に乗り込んでいたこの3人の緊迫感のあるやりとりと決断に胸が締めつけられます。

 

 さらに、なんと本作は爆弾テロの恐怖や映像のリアルさ、臨場感を追求するため、爆破シーンでCGではなく実際に爆弾を爆破させているのです。

  そのため、俳優たちの緊迫感のある演技はまさに生のリアクション。あまりに激しい爆破にキム・レウォンは「爆弾テロを本当に経験したようだった」と語るほどです。

 

 

 爆発予告の連続で息つく暇もないスリルと、「生と死」の瀬戸際の決断が胸に迫る人間ドラマを共存させた「デシベル」は11月10日(金)より東京・新宿バルト9ほか全国で公開です。

 

『デシベル』(英題:Decibel)
監督: ファン・イノ
出演:キム・レウォン、イ・ジョンソク、チャウヌ、チョン・サンフン、パク・ビョンウン
2022/韓国/110分/シネスコ/5.1ch/字幕翻訳:福留 友子/

配給:クロックワークス
公式サイト

https://klockworx-asia.com/decibel/

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村上淳子(むらかみあつこ)

海外ドラマ評論家/映画ジャーナリスト 

著書『海外ドラマ裏ネタ缶』(小学館)『韓流マニア缶』(マガジンハウス)『韓流あるある』(幻冬舎エデュケーション)ほか。共著『香港電影城』シリーズ(小学館)ほか。

(社)日本ペンクラブ 国際委員会委員 

ブログ「海外ドラマ評論家・村上淳子のLOVEドラマ&LOVEハワイ」

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